小物からリビングのソファまで インテリアの福袋は目的買いがほとんど

大塚家具は新春企画としてドリーム福袋を1月2日から販売している。同社は年末売り尽くしセールを行っており、年明けの来客数落ち込み対策としてバリエーション豊かな福袋を用意した。寝装品のセット「ぐっすり福袋」をはじめ、「ダイニング福袋」、「リビング福袋」、ピローやベッドリネンなどの「インテリア・アクセサリー福袋」、数量限定で大塚久美子・大塚家具社長が愛用するインテリア小物を詰めた「大塚久美子愛用品セレクト福袋」、「スター・ウォーズ」のグッズを集めた「『スター・ウォーズ』福袋」などをそろえた。価格は、ベッドやテーブル、ソファーなどの家具類が10万〜100万円。2016年にちなみ、20万1600円のパックも用意した。インテリア・アクセサリーに関しては5000円〜5万円。大塚社長愛用品は5000円〜50万円、「スター・ウォーズ」は1万3000円〜3万円。売れ筋は10万円と30万円のセットだが、100万円のセットも数セット売れた。「『スター・ウォーズ』福袋」に関しては、オープン前に並び購入していく客もおり、なかでもインバウンド比率が高く中国人客などによる爆買いも見られた。家具類は”中身の見える福袋”のため、来客者は比較対象の一つとして検討するようだ。中には、福袋ではなく、自分が好きなアイテムを購入していく客もいる。価格は通常の10〜40%オフで、日頃から店舗を訪れ商品を知っている消費者が購入していくケースが多い。福袋の販売は11日まで。

コンランショップ・ジャパン(CONRAN SHOP JAPAN)は1月2日、ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP)丸の内店(丸の内ビルディング内)、渋谷ヒカリエ内のザ・コンランショップ キッチン、福岡店(岩田屋本店内)で福袋を販売した。同社は昨年末からセールを開催しておりセール初日には開店前から消費者が並び、目的買いするケースが多くみられたという。1月末までセールを行うため、福袋にはさほど力を入れていないが、商業施設の初売りに合わせて上記店舗で限定福袋を用意。丸の内店では、シードルやスパークリングワイン6本セットを1万円、オリジナルのエプロンとミトン、パスタギフトセットの詰め合わせを3000円で販売。いずれも限定10セットで、すぐに完売した。丸の内店は「イソップ(AESOP)」のボディケア2点とオリジナルタオル2点の詰め合わせを限定10セット1万円で販売し、午前中に売り切れた。福岡店では2ボディケアセット1万円を限定10セット、食器セット1万円を60点、キッチンツールなど雑貨の詰め合わせ80点を2日間にわたり販売。食器セット以外は完売した。同社も大塚家具同様、福袋、セール双方で店舗の商品に馴染みがある顧客による目的買いが多いようだ。

メトロポリタン美術館19年の展覧会は“キャンプ”がテーマ協賛は「グッチ」

ニューヨークのメトロポリタン美術館は、毎夏恒例となっているファッションの展覧会として、2019年は“キャンプ”を取り上げる。会期は5月9日~9月8日。“キャンプ”といっても一般的なアウトドアのキャンプのことではなく、米国の批評家、スーザン・ソンタグ(Susan Sontag)が1964年に発表したエッセイ「キャンプについてのノート」で語られている美学のこと。悪趣味すれすれの過剰性や皮肉がその特徴だ。同展は「グッチ(GUCCI)」の協賛が決まっており、ミラノ・ファッション・ウイーク中に展覧会詳細についての記者会見が開かれた。

optimize.webp (4)

会見に登壇したのは、同美術館の理事でもあるアナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長、「グッチ」のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)クリエイティブ・ディレクター、同美術館のアンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)衣装研究所キュレーターの3人。会場には、ショーで見かける華やかな編集者やインフルエンサーではなく、新聞系のジャーナリストが中心に集まった。

optimize.webp (3)

アナは、「“キャンプ”を定義するのは難しいが、ソンタグの言葉を借りるなら、過剰性や不自然さを愛すること」と紹介。また、先日亡くなったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)について触れ、「彼は同美術館に多大な寄付と、120以上のコレクションを提供してくれた。皮肉なウイットを好む彼ならば、今回の展覧会もきっと好いてくれただろう」と述べた。

optimize.webp

ボルトンは“キャンプ”について、「もともとは主に同性愛者のコミュニティーで使われる言葉・感覚だったが、それをソンタグがメインストリームへと導いた。“キャンプ”な美意識は、時代の流れの中で前面に出て来る時がある。ソンタグが本を著した60年代がそうだし、80年代、そして間違いなく今がそうだ」と解説。続けて、「社会や政治が混迷し、世の中が分断されてしまった現代に“キャンプ”の美意識が浮上したことは偶然ではない」と語った。

展覧会では、“キャンプ”がポップカルチャーやファッションにどのように影響を与えてきたかを検証する。14世紀の仏ヴェルサイユの宮廷から現代のドラァグ・クイーンまで対象にし、ウエア、絵画、彫刻など約200点を展示。カールによる「シャネル(CHANEL)」「クロエ(CHLOE)」、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などが含まれる予定だ。

会見を行ったミラノのジェロラモ劇場には、過剰性の代表ともいえる「グッチ」、痛烈な皮肉が主張する「ヴィクター&ロルフ(VICTOR & ROLF)」の2019年春夏オートクチュールコレクションのドレス、異性装やジェンダーを超えた美を提案するスペインの若手ブランド「パロモ スペイン(PALOMO SPAIN)」を展示していた。“キャンプ”は、意識的無意識的にさまざまなデザイナーが掘り下げてきたテーマ。直近では、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」が18-19年秋冬にテーマに据えていた。

同展の開催に合わせて、5月6日には「メットガラ」が開かれる。レディー・ガガ(Lady Gaga)やハリー・スタイルズ(Harry Styles)などがホスト役を務めるという。