シラク元大統領の葬儀に翻弄された日曜日、「バレンシアガ」でキティちゃんを追い

パリコレ7日目はシラク元大統領の葬儀が執り行われ、パリの交通事情が大混乱。幹線通りの一部が通行止めで、市内中心部の地下鉄の駅が閉鎖されるという事態に、毎時大移動を繰り返すパリコレの進行はスタック状態となりました。それでも一日が終わって見れば全部の予定が消化されているから不思議です。

「ニナ リッチ(NINA RICCI)」のルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)にインタビューをするため朝一でショールームへ。モンテーニュ通りにはまだ人がまばらで静か。1週間以上パリコレの喧騒の中にいるのでホッとします。で、オープン前の「ニナ リッチ」のお店の前でドイツ在住のジャーナリスト薮野淳さんと写真を撮ったりして。薮野さんは元記者で、今も山ほど仕事をしてくれています。

ルシェミーとリジーのポートレートをショールームで撮影した後、場所をホテルのカフェに移そうとしたら突然の大雨が!そんなことお構いなしに雨の中を走っていく2人の後ろ姿を見て、なんかいいな、と思いました。カリブ諸島にゆかりのある2人はスコールにも慣れているそうです。いろいろなカルチャーを経験している2人がパリのメゾンをどう導くのか?同じく多くのカルチャーを経験している薮野さんのリードで、2シーズン目の新しい「ニナ リッチ」像をたっぷり語ってもらいました。続きは紙面で~。

バレンシアガパロディ(BALENCIAGA)」は最近、パリ市外の巨大なスタジオをショー会場に使用しています。なぜなら大掛かりなセットを作るから。今回はかたつむりの殻を逆さにしたような巨大な螺旋階段を作り、目が覚めるような青いじゅうたんを敷き詰めてランウエイを作りました。ユニホームをテーマにした91ものルックの中に「マスターカード」風イヤリングなど面白アイテムがいろいろ登場しましたが、その中に発見です!キティちゃん!エッジィの効いた格好をしている「バレンシアガ」男子に運ばれてくるキティちゃんがシュールです。遠くから近づいてくるキティちゃんの横顔を連写したのでどうぞお楽しみください。ドレスの背中のリボンもキティちゃんに見えますよね。

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香港出身のデザイナーによる「アナイス ジョルダン(ANAIS JOURDEN)」で見つけた「ナイキ」とのコラボと思われるスニーカーがカワイイです。

奇想天外とはこのこと。「トム ブラウン(THOM BROWNE)」の空想を具現化したかのようなショーは、夢に一さじのアイロニーが含まれ、時にサディスティックでもあります。今回はトムが大好きなグレーのストライプでできた庭に花の妖精が降り立ったかのような世界観。ワンコバッグはカワイイし、このショーにモデルとして参加するのは楽しそうだけど、イルカの置物に素足で立ち続けるのは私には厳しいかな……(求められてもいないけど)。

レースの街、スイス・サンガレン発ブランド「アクリス(AKRIS)」は働くエグゼクティブ女性にぴったりな上品で機能的な服がそろいます。で、お仕事やお仕事関係のパーティーにはバッグが必要ということもあり全ルックがアイコンバッグ“アイ(Ai)”を持っています。スーツにはPCも入るサイズの“アイ”、ドレスにはクラッチの“Ai”と、すごいバリエーションです。

この日は、9月26日に亡くなったジャック・シラク(Jacques Chirac)元フランス大統領の葬儀がアンヴァリッドで行われ、市内は交通規制の嵐。弔問に訪れた一般の人が長蛇の列を作っており、とても人気のある大統領だったことがわかります。で、すぐ近くで行われた「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の会場にたどり着くのが大変なこと!行列を横切ろうとしたら、陽気なおじさまが「これが『ヴァレンティノ』の列だよ」と冗談を飛ばしてきて笑っちゃいました。

白のコットンから始まった「ヴァレンティノ」のショーは、いつも通りに美しい。クチュールの技をいつも以上に取り入れ、とにかく美しい。シュールなお猿モチーフのイヤリングが気になりました。写真がブレていてちょっと分かりずらいかもしれないですが、黒いドレスのモデルが着けているのがそのイヤリングです。

ワンオーがパリに新会社ブルペッパー設立し、活動拠点となるショールームを3区にオープンしたのでお祝いに行きました。パリで困ったとき(何かなくしたとかトイレが急務とか!)に駆け込む場所がひとつ増えて嬉しいです(笑)。

最近はアジアでの活動に力を入れてきたワンオーですが、ここをハブにアジアとヨーロッパをつないでいくそうです。やるね!パリは2024年のオリンピックに向けて各所で再開発が進んでおり、こちらのエリアもこれから盛り上がるとか。写真はワンオーの松井社長(左)とブルペッパーの横山社長です。おめでとう!

「ジバンシィ(GIVENCHY)」の招待状はデニム、そして会場で配られていたのはNY名物プレッツェル(もっちもち)でした。クリエイティブ・ディレクターのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」などで働いていた時のNYの思い出が今季のインスピレーションだそう。洗いをかけたデニムが少し懐かしくてよい感じです。という訳で江原美希さんをはじめとするモデルが着るデニムコレクションをご覧ください。